犬にまつわる保険

犬の保険に入っていますか?と聞かれるとまず最初に思い浮かぶのがペット医療保険ではないだろうか。犬が病気になったりケガをしたりすると当然、動物病院のお世話になる。犬は人と異なり公的健康保険もないのでその治療費用の負担は飼養者にとってかなりの痛手となる。

ペット医療保険は、保険会社によって負担割合、受給回数などが異なるが飼養者の治療費負担軽減になるものであることは間違いないのだが加入率は5.38%(2016年)とまだまだ低い。これは、支払う保険料(年額)と実際の治療費(年額)のバランスで加入を躊躇する人が多いのではないかと思う。

我が家のあんず・プリシラ・ふわりは、アニコムのペット医療保険に加入しているが、動物病院に通うのはほとんどが健診なのでペット医療保険の恩恵をここ数年受けていない。恩恵を受けていないにも関わらず、支払っている保険料は、年間3頭で約160,000円とかなり高額だ。それでも保険に加入し続けるのは犬が高齢になってくれば病気やケガは増えてくるのでいざという時の備えとして加入しているのだ。

それでは、犬が他人の財産や人体に危害を加えてしまった場合、その損害を飼養者が賠償しなければならないことをご存知だろうか。いやいや、うちの犬は大丈夫という反論もあるかと思うが以前の記事でも書いたように犬は本能で生きている動物なので過信は禁物だ。

環境省の平成26年度犬による咬傷事故統計によると咬傷事故は、4364件あり、そのうち家族以外の咬傷事故が4130件と95%を占めている。しかも残念なことにそのうち3人の方が亡くなられている。

その損害賠償金額は、事故の程度によっても様々だが記憶に新しいところでは芸能人夫婦が飼養していたドーベルマンが咬傷事故を起こし東京高裁は1725万円の支払いを命じた。一咬傷事故で多大な賠償債務を負うこともあるということを覚えておこう。

先日、かれこれ20年以上の付き合いになる東京海上火災保険の代理店 有限会社ウィングライフ(埼玉・狭山)の代表取締役 下田清氏と我が家の保険の更新契約で打合せを行った。その時にたまたま飼い犬の咬傷事故の話になって下記のように要約してくれた。

ここで特筆すべきところは、個人賠償責任保険特約は、飼い犬だけでなく保護団体の一時預かりボランティアの保護犬が万が一事故を起こした時でも一時預かりボランティアがこの保険に加入していればその補償対象になるということだ。

保険に加入すると保険の補償対象になる場合とならない場合等が書かれた約款が必ずついてくるがその約款は細かい字で非常に見にくいものだ。この保険を含め保険についてわからないことがあれば私が20年以上保険を任している下田氏に直接、尋ねてみるのもよいと思う。真摯に相談にのってくれるはずだ。

犬との暮らしで不幸にならないために生活の傘になる保険を今一度見直してみよう。


文・写真 吉川孝治

あんず山荘の仲間たち Dog Training Partner

犬とバランスよく暮らすために、犬をもっと感じるために。

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