犬を迎えたら ②

「犬を迎えたら①」ではトレーニングと社会化のうち、一般的なオービディエンストレーニングについての話をしたので今回は社会化についての話を。

社会化とは、生まれてきた個体がその種特有の社会行動パターンを身につけていく過程をいう。母犬や兄弟犬、その他の犬との関係を通じて将来の社会関係のマナーやルールを学ぶことを指している。しかし、犬の場合は、犬だけではなく人間も仲間であること、飼養者及びそれ以外の人間に対してどう振舞うべきかも学ばなければならないのだ。野生動物と異なるところだ。

一般的に犬では、生後2週齢までを新生子期、2~3週齢を移行期、3~12週齢までを社会化期、社会化期から性成熟までを若年期、性成熟以後を成熟期と呼んでいる。

生後8週齢以降、社会化期後期になると多くの仔犬は新しい家族に迎えられるのでその飼養者が社会化を行っていかなければならないのだ。

生後2カ月~3カ月までに必要な社会化は飼養者が意識して行うもので人が苦手な犬にならないように男性、女性、恰幅のいい人、子供、お年寄り、外国人など多くの人に会わせること(対人)、犬が苦手な犬にならないように大型犬から小型犬、長毛種から短毛種など様々な違う犬を見せてあげること(対犬)、駅前の騒々しい雑踏、商店街、幼稚園や小学校など子供が大勢いる場所など様々な場所及びその場所にあるものを見せてあげること(対環境)、室内で聞くテレビや音楽、掃除機、チャイムなどの音、室外で聞く雨、風、雷、花火、踏切などの音等、様々な場所で音を聞かせてあげること(対音)など慣らすべき対象物はたくさんあり、それらに飼養者が意識して慣らしていくことが大切だ。また、ドッグトレーナーなどが開催している同月齢の仔犬とその家族が集まるパピーパーティーに参加してみるのも良いと思う。

我が家は2年前に埼玉・所沢に引っ越してきたのだが夏になると西武ゆうえんちの花火が毎週土曜・日曜に開催される。我が家のあんずは、今まで花火の音など1年に1度聞くか聞かないか程度の所に住んでいたので未だに花火の音に恐怖心を覚えている。もともとあんずは、雷の音、山中湖の近隣にある富士演習場の砲台の音などその手の音が苦手な犬だ。プリシラは雷の音、花火の音、砲台の音に恐怖心を覚えることはないがプリシラが唯一苦手な音が電車がブレーキをかけたときに生じる鉄が擦り合される音だ。最近はその音にも慣れプリシラの苦手だった鉄が擦り合される音に反応しなくなった。あんずは、まだまだ修行が足らないようだ。

※ふわりは、花火の音にどう反応するか…楽しみだ。


ワクチンが安定するまでの間の社会化は抱っこ散歩が中心となるがワクチンが安定する4ヵ月目以降は実際に地面に歩かせる散歩に切り替えていく。広い公園や草の上、砂利の上など足裏を刺激することも大切な社会化となる。健康状態が良ければこの時期からシャンプーにもトライしてみるのも良いだろう。

たくさんの人、犬、様々な環境や音に慣れてきたら飼養者が定期的に利用する必要のある場所(動物病院、トリミングサロン、ペットホテルなど)へ連れて行き徐々にその場所に慣らしていくのも必要だ。

また、この時期から犬自身が自ら進んでニオイを嗅いだり周囲を見渡したりなど様々な経験を積めるようになってくるのでなるべく仔犬が自ら積極的に行動ができるようにサポートする必要もある。

犬の場合、自己防衛本能のひとつである恐怖心(警戒心)が芽生える時期が生後4カ月頃と言われている。家に入ってくる人は、家族だけ!と学んでしまうと来客や宅配便の人が家に来ただけで吠えたりするようになるので注意しなければならない。

仔犬に恐怖心が芽生えるのは前述のとおり1回目は生後4カ月頃、2回目は生後7カ月頃と行動学カウンセラーは分析している。2回目の恐怖心が芽生える時期は脱社会化期とも言われ第2の社会化期として心しておこう。

「独立心が強い」、「警戒心が強い」などその犬種がもともと持っている気質を消したり、その犬に備わる臆病・好奇心が強いなどの傾向を社会化で変えることはできない。社会化(慣れやすい)しやすい仔犬もいるし、社会化(慣れにくい)しにくい仔犬がいるのも事実だ。この慣れやすさ慣れにくさは、犬種によっても個体によっても様々なことを理解しよう。

しかし、様々な経験を何度も積むことで受け入れられる範囲を広げていくことは可能だ。

なお、社会化しにくい仔犬、社会化しやすい仔犬を問わず、人間に歯を絶対に当てないことだけは徹底的に教えこまなければならない。

犬の気質や個性を見極めながら、無理をさせないように配慮しつつ社会化のトレーニングを続けることが大切なのだ。


文・写真:𠮷川孝治

あんず山荘の仲間たち Life it's the dog

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